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上咽頭擦過療法(EAT・Bスポット療法)

上咽頭擦過療法について

保険診療

鼻の奥に位置する上咽頭は呼吸をするたびにもっとも空気に触れる場所です。常に乾燥や外からのウイルス、細菌にさらされているため、炎症をおこしやすい場所でもあります。この上咽頭に炎症がおきると、鼻やのどの症状を中心として身体のさまざまな不調となってあらわれることが報告されています。EAT・Bスポット療法は上咽頭(鼻咽腔)の粘膜に塩化亜鉛を直接塗布することで、症状を抑える治療法です。

当院で行うのはシンプルEATです。内視鏡で観察はできません。

慢性上咽頭炎を知ったきっかけ

耳鼻科医でない私が、慢性上咽頭炎を知ったのは、開業して6年くらいして栄養療法の勉強を始めた頃でした。病巣疾患の一つで、様々な難病と関係があるとされています。2022年まで、原因不明の体調不良で上咽頭炎が疑わしい患者さんが来院された時は、近隣の耳鼻科の先生でこの手技をやってくれる先生はいなかったので、隣の豊田市のEATをやってくれる耳鼻科Drへ紹介していました。2022年に堀田修先生が出版された、「コロナ後遺症患者に対するシンプル上咽頭擦過療法(EAT)のコツ」という書籍を参考に当院でも施行を始めました。
下垂体腫瘍に対する経鼻手術の経験もあり、経鼻処置に対する抵抗もなく処置はできるようになりました。今では5人~10人/日処置をしています。

慢性上咽頭炎の症状

直接感染による慢性上咽頭炎そのもの、あるいは炎症の放散による症状

  • 頭・顔・鼻・目・耳・歯・喉などの痛み
  • 鼻閉・鼻汁・後鼻漏などの鼻の症状
  • 耳閉感・難聴・耳鳴りなどの耳の症状
  • 咳・痰・声がれ・違和感などの喉の症状

自律神経系の乱れを介した症状

上咽頭が舌咽神経、迷走神経、自律神経と繋がっているために起こる。

全身倦怠感、めまい、慢性疲労、睡眠障害、胃腸障害など

上咽頭を病巣とした血流やリンパ流を介した全身性の感染の蔓延によるもの。

原因不明の発熱など

自己抗体などの免疫機序を介した二次性の疾患によるもの。IgA腎症、慢性関節リウマチ、掌蹠膿疱症、尋常性乾癬、アレルギー性紫斑病、ベーチェット病など。

EAT治療の効果発現のメカニズム

以下の3つの働きで症状が改善するとされています。

  1. 塩化亜鉛の抗炎症作用…ウイルスや細菌を退治する
  2. 瀉血効果…たまった老廃物を排出させる
  3. 迷走神経刺激作用…免疫疾患の炎症を抑える

上咽頭擦過療法のやり方

慢性上咽頭炎を治せば不調が消える(扶桑社ムック)堀田修先生監修

治療回数・効果

治療では、1%塩化亜鉛を擦過します。
治療回数は10回を目安におこなっていきます。
EATのみで上咽頭の炎症が完全に治まるには30回程度必要と言われています。
治療効果は個人差がありますが、10-15回の施行で70%ほどに効果ありとされています。

リスク・副作用

  • 疼痛や違和感:上咽頭擦過の際に不快感や痛みを感じることがあります。
  • 出血:擦過中に上咽頭の組織が傷つくことで出血する場合があります。
  • 感染症:不適切な器具や手順によって感染症が引き起こされる可能性があります。