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診療時間
8:30~12:00 / 15:00~18:00
休診日
土曜午後、木曜、日曜、祝日

ボツリヌス治療(痙縮改善治療)

ボツリヌス治療について

保険診療

ボツリヌス毒素はボツリヌス菌が産生する毒素で、ボツリヌス菌食中毒の原因となり、極めて毒性が強いとされています。東北地方のいずし、熊本の辛子レンコン事件で有名になりました。ボツリヌス毒素治療(ボトックス治療)は、ボツリヌス毒素を少量注射して軽い中毒症状を起こさせ病気の治療をするものです。当院でボトックス治療をしているのは下記の3疾患に対してです(脳卒中後の痙縮に対する治療をしていません。他院へ紹介いたします)。

  • 両側眼瞼けいれん
  • 片側顔面けいれん
  • 痙性斜頸

両側眼瞼けいれん

両側のまぶたがピクピクする病気です。症状が強いと目を閉じた状態になります。精神的ストレスで症状の悪化が認められるので安定剤の併用が必要なことがあります。

片側顔面けいれん

片側のまぶたと顔面の筋肉(口元)がピクピクする病気です。初期は目の周囲から症状が現れ、進行すると口元まで広がります。

痙性斜頸

頸が曲がったり、肩が上がってしまう動きで筋肉の痛みもともないます。約半数は、3か月毎のボトックス治療を繰り返すうちに治ります。

慢性片頭痛・群発頭痛に対するボツリヌス治療(自由診療)

当院では、慢性片頭痛および群発頭痛に対する補助的治療として、ボツリヌス治療(ボツリヌストキシン注射)を提案する場合があります。この治療法は、頭部や頸部の特定の筋肉にボツリヌストキシンを注射することで、神経伝達物質の放出を抑制し、痛みの感覚や筋緊張を軽減することを目的としています。

治療方法

ボツリヌストキシンを、額、こめかみ、後頭部、頸部などに一定のパターンに従って複数箇所に注射します。治療時間はおおよそ10分程度で、3ヶ月ごとに1回の治療を継続的に行うことが一般的です。効果の発現には数日~1週間程度かかる場合があります。

期待される効果

慢性片頭痛においては、発作頻度や持続時間、痛みの強度が減少することが報告されています。群発頭痛への効果についてはエビデンスが限られますが、一部の患者では症状の軽減がみられることがあります。個人差はあるものの、約50~70%の患者で改善効果が認められたとの海外報告があります。

医療機器の承認状況について

本治療で使用するボツリヌストキシン製剤および注射器具の一部は、日本国内では慢性片頭痛治療としての承認を受けていない未承認医療機器・医薬品を含みます。これらは、国内の業者を通じて適正な手続きを経て入手しております。日本国内においては、現在慢性片頭痛に対して保険適用となっているボツリヌス治療はなく、自由診療としての提供となります。

海外での安全性・有効性に関する情報

アメリカ(FDA)や欧州(EMA)では、ボツリヌス治療は慢性片頭痛に対する適応が承認されており、一定の有効性と安全性が確認されています。主な副作用としては、注射部位の痛み、筋力低下、一過性のまぶたの下垂や表情筋の違和感などが報告されていますが、重大な副作用の頻度は非常に低いとされています。群発頭痛に対してはまだ確立した適応とは認められておらず、研究段階にあることをご理解ください。

料金

公的医療保険が適用されない自由診療です。

ボトックス1A
(頭痛、食いしばり)
22,000円(税込)
ボトックス2A
(群発頭痛)
33,000円(税込)