院長の閃輝暗点体験記
今年のお盆前後は、台風7号の影響で片頭痛が続き、つらい時期を過ごした患者さんが多かったようです。片頭痛発作の前にでる前兆として閃輝暗点(目がチカチカして、視野がかけてくる)が、よく知られています。
院長も、総合病院へ勤務していた時に、数回経験しています。
外来で診察中に、突然視界がモヤモヤし始め、焦点を合わそうと思っても上手くいかず、モザイク状のいくつも塊が、波のように移動が続き、パソコンのモニターが見えなくて、焦ったと同時に、これが閃輝暗点の症状だと自分自身の状態を診断し、その後にひどい頭痛が起こるかもとビクビクしていたのを覚えています。幸い症状は15分ほどでおさまり、ほとんど頭痛もなく経過をしました。
閃輝暗点が起こる具体的な原因については完全には明らかにされていませんが、以下の点が考えられています。
1.脳の血流の変動: 一部の研究者たちは、脳の特定の部位での血流の減少が閃輝暗点の原因の一つとしている。これは「コーティカルスプレッディングデプレッション」という現象と関連していると考えられています。この現象は、一時的に神経活動が減少し、それが脳の表面を波のように広がっていくものです。
2.脳内の化学物質の変動: 特定の神経伝達物質や電解質のバランスの変動が、コーティカルスプレッディングデプレッションを引き起こす可能性が考えられています。
3.遺伝的要因: 片頭痛は家族歴が関与していることが知られており、閃輝暗点も遺伝的な要因が関わっている可能性があります。
4.外的要因: ストレス、睡眠不足、特定の食べ物や添加物、ホルモンの変動(例えば生理周期)など、様々な外的要因が片頭痛やその前兆としての閃輝暗点のトリガーとなることが知られています。
勤務医時代は、食べ物にも無頓着で、添加物も全く気にしてなかったので、食事、寝不足、ストレスなどが原因だったと思っています。
開業してからは、栄養療法の勉強などもしたので、食事や睡眠にもある程度気を遣っているので、閃輝暗点も片頭痛も出ていません。疲れ、肩こりからくる緊張型頭痛や、頭部神経痛が、数回/年起こるだけです。
